私の体にメスを入れて

私、早乙女流華(さおとめるか)は自分のことがわからない。

自分の性格は自分が一番知っていなくてはならないはずなのに、「あなたの性格を一言で表すと?」と質問されるとよくわからない。

仲の悪い両親を見て育ったから、愛なんて信じていないはずだった。

それでも、あの人に触れられた瞬間、心の奥底から湧き上がる感情がある。

「ねぇ、愛して」「私だけを見て」「もっと触れて」

この気持ちは、頭を開いて脳を見たところで答えはわからない。



眠る前に設定しておいたスマホのアラームでゆっくりと意識が浮上していく。体がどこか重い。

「んんっ……」

ゴロンと寝返りを打てば、何も身に纏っていない腕にヒヤリとした感触。目を開ければクイーンサイズのベッドには、私一人しかいなかった。

気怠い体をゆっくりと起こす。豪華な部屋を見回しても、彼の気配は感じられない。テーブルの上には一枚のメモ用紙だけが残されている。

ベッドから降りてメモを見る。綺麗な字が一行だけ書かれていた。