シトラスの魔法が解けるまで

​藍染め体験のバスに乗り込むと、周りは見慣れた3組の顔ぶればかりだった。
「あれ、藤井も藍染め? 渋いねー」
真柴くんが後ろの席から声をかけてくる。
同じ3組の結愛ちゃんは、ここにはいない。彼女は宣言通り、オリビン探しのバスに乗ったはずだ。
​(……やっぱり、結愛ちゃんの言う通りだったのかな)
​窓の外を見つめながら、私は自分の選択を少しだけ後悔し始めていた。
出発時刻まであと3分。
先生が名簿を確認しようとした時――。