シトラスの魔法が解けるまで

体育が終わって3組の教室に戻った瞬間、私は自分の席で石のように固まっていた。
「藤井、お疲れー! さっきの見たよ!」
真っ先にやってきたのは、ニヤニヤが止まらない真柴くんだった。
続いて、クラスの女子たちがワッと私の机を取り囲む。
​「藤井さん、今の何!? 4組の瀬戸くん、わざわざこっちのコートまで来て助けてくれたよね?」
「しかもボール渡すとき、めっちゃ至近距離じゃなかった?」