シトラスの魔法が解けるまで

「危ないっ!」
誰かの叫び声と同時に、4組の男子が投げた鋭いボールが、私の方へ飛んできた。
避ける間もなくて目を瞑ったその時。
​ガシッ、という鈍い音。
​「……ぼーっとしてんじゃねーよ」
​目を開けると、私の目の前に、4組のゼッケンを着た背中があった。
瀬戸。
彼は、3組のエリアにまで踏み込んで、私の身代わりになってボールをキャッチしていた。