シトラスの魔法が解けるまで

​「莉奈、元気出しなよ。体育は3組と4組、合同なんだから!」
冴にそう励まされて、私は少しだけ顔を上げた。
クラスが離れて、絶望していたけれど、時間割を確認すると、週に2回は彼と同じ空気を吸える時間が約束されていた。
​けれど、それは同時に「戦い」の始まりでもある。
私のすぐ後ろでは、同じ3組になった結愛ちゃんが、友達とヒソヒソ話をしている。
「……マジで最悪。瀬戸に無視されてるのに、体育で顔合わせるとか死ぬんだけど」
彼女の言葉に、私はチクッと胸が痛んだ。
既読スルー一週間。彼女にとっての地獄は、私にとってのチャンスなのかもしれない。