「莉奈! 最悪、私だけ瀬戸と同じクラスなんだけど!」
4組の廊下から、冴が駆け寄ってきた。
「……真柴も莉奈と同じクラスでしょ? あいつ、絶対面白がってるよ……」
「……うん。結愛ちゃんも、一緒だよ」
私の言葉に、冴の顔が引きつる。
その時、4組の入り口から、新しい教科書を抱えた瀬戸が出てきた。
一瞬だけ、目が合う。
彼は私と冴、そして私の後ろにいた結愛ちゃんの視線に気づくと、少しだけ眉をひそめて、すぐに教室の中へと戻ってしまった。
(……もう『ま、まあ』なんて言ってくれるチャンス、ないのかな)
3組の教室から漂ってくるのは、結愛ちゃんの甘いわたあめの匂い。
4組の奥に消えた、私の好きなシトラスの香り。
波乱に満ちた新学期が、今、最悪で最高の幕を開けた。
『クラス替えという名の運命が、私と彼を引き離す。
けれど、隣にいないからこそ、もっと強く、その香りを求めてしまう。
3組の窓際で、私は、壁の向こう側にいる彼に届くような、新しい言葉を探し始めた。』
4組の廊下から、冴が駆け寄ってきた。
「……真柴も莉奈と同じクラスでしょ? あいつ、絶対面白がってるよ……」
「……うん。結愛ちゃんも、一緒だよ」
私の言葉に、冴の顔が引きつる。
その時、4組の入り口から、新しい教科書を抱えた瀬戸が出てきた。
一瞬だけ、目が合う。
彼は私と冴、そして私の後ろにいた結愛ちゃんの視線に気づくと、少しだけ眉をひそめて、すぐに教室の中へと戻ってしまった。
(……もう『ま、まあ』なんて言ってくれるチャンス、ないのかな)
3組の教室から漂ってくるのは、結愛ちゃんの甘いわたあめの匂い。
4組の奥に消えた、私の好きなシトラスの香り。
波乱に満ちた新学期が、今、最悪で最高の幕を開けた。
『クラス替えという名の運命が、私と彼を引き離す。
けれど、隣にいないからこそ、もっと強く、その香りを求めてしまう。
3組の窓際で、私は、壁の向こう側にいる彼に届くような、新しい言葉を探し始めた。』

