シトラスの魔法が解けるまで

私は迷わず、また水色の紙を手に取った。
瀬戸のマリンブルー。私の恋の色。
​昨日は「仲直りする勇気がほしい」って、神様にすがるような気持ちで書いた。
でも、朝の下駄箱で彼の袖を掴んだ今の私は、昨日より少しだけ強いはず。
​『今度は、逃げないで。ちゃんと目を見て話せますように。』
​ペンを走らせる音だけが、静かな図書室に響く。
書き終えたばかりの二枚目の絵馬を、一枚目のすぐ隣に並べて結んだ。
二枚の水色が重なって、夕方の風に小さく揺れる。