瀬戸が顔を真っ赤にして、逃げるように階段を駆け上がっていく。
彼の背中が見えなくなるまで、私は立ち尽くしていた。両手にはまだ、さっきまで掴んでいたウインドブレーカーのナイロンの感触と、彼の体温が熱く残っている。
「……莉奈、よくやった!」
背後から飛んできた冴の声で、ようやく現実に引き戻された。
振り返ると、冴が自分のことのように鼻を高くして笑っている。その隣では、真柴くんが「いやー、藤井、あんなに力強く掴むとは思わなかったわ」と感心したように首を振っていた。
「……怖かった。でも、離したら終わると思って」
「あはは! 瀬戸のあんなに焦った顔、初めて見たよ。あいつ、藤井に『離さない』なんて言われて、完全にノックアウトだったね」
彼の背中が見えなくなるまで、私は立ち尽くしていた。両手にはまだ、さっきまで掴んでいたウインドブレーカーのナイロンの感触と、彼の体温が熱く残っている。
「……莉奈、よくやった!」
背後から飛んできた冴の声で、ようやく現実に引き戻された。
振り返ると、冴が自分のことのように鼻を高くして笑っている。その隣では、真柴くんが「いやー、藤井、あんなに力強く掴むとは思わなかったわ」と感心したように首を振っていた。
「……怖かった。でも、離したら終わると思って」
「あはは! 瀬戸のあんなに焦った顔、初めて見たよ。あいつ、藤井に『離さない』なんて言われて、完全にノックアウトだったね」

