「里紗、お願い! 瀬戸に伝えてほしいことがあって」
始業前、私は2組の教室の入り口で、里紗を呼び止めた。彼と同じクラスの里紗は、今の私にとって唯一の架け橋だ。
「……放課後、図書室に来てほしいって。それだけ、伝えてくれないかな」
「おっけー、任せて。今言っちゃうね」
里紗が軽い足取りで教室の奥、彼の席へと向かう。
私は5組の廊下の陰に隠れて、心臓の音を抑えながらその様子を盗み見た。
里紗がもう一度、彼の席へ向かう。
「用件は、図書室で話すからって莉奈が言ってるよ」
遠くから見守る私の視界の中で、彼は里紗の言葉を聞くと、面倒そうに前髪をかき上げた。
戻ってきた里紗の顔は、さっきよりもずっと曇っている。
「……莉奈。なんて言えばいいか……」
「……なんて、言ってた?」
「『用件は?』って聞くから、『けじめをつけたいんだって』って伝えたんだけど……」
里紗は言いづらそうに視線を泳がせ、声を落とした。
「『めんどくさい。行かないかも』って。……ごめん、そう言われちゃった」
始業前、私は2組の教室の入り口で、里紗を呼び止めた。彼と同じクラスの里紗は、今の私にとって唯一の架け橋だ。
「……放課後、図書室に来てほしいって。それだけ、伝えてくれないかな」
「おっけー、任せて。今言っちゃうね」
里紗が軽い足取りで教室の奥、彼の席へと向かう。
私は5組の廊下の陰に隠れて、心臓の音を抑えながらその様子を盗み見た。
里紗がもう一度、彼の席へ向かう。
「用件は、図書室で話すからって莉奈が言ってるよ」
遠くから見守る私の視界の中で、彼は里紗の言葉を聞くと、面倒そうに前髪をかき上げた。
戻ってきた里紗の顔は、さっきよりもずっと曇っている。
「……莉奈。なんて言えばいいか……」
「……なんて、言ってた?」
「『用件は?』って聞くから、『けじめをつけたいんだって』って伝えたんだけど……」
里紗は言いづらそうに視線を泳がせ、声を落とした。
「『めんどくさい。行かないかも』って。……ごめん、そう言われちゃった」

