シトラスの魔法が解けるまで

2組の学級閉鎖、2日目の夜。
明日から2組が帰ってくる。その事実だけで、私の心臓は朝からずっと落ち着かないリズムを刻んでいる。
手持ち無沙汰にスマホを開き、慣れた手つきで『野いちご』の管理画面をリロードした。
​「……っ、え!?」
​目に入った数字に、思わず声が出た。
PV、91。
昨日寝る前は40代だったはずなのに、一日で倍以上に跳ね上がっている。
訪問者数は「4」のままだから、この4人が、私の書いたページを何度も何度も、穴が開くほど読み返してくれているということだ。
​(誰なの……? 誰が、こんなに私の気持ちを追いかけてるの?)
​ただの自己満足で始めたラブレター。
でも今、この暗い部屋でスマホを握りしめている私の体温は、確実に画面の向こう側の「4人」と繋がっている。
その中の一人が、もし彼だったら。
もし、彼がこの画面越しに、私の「私ばっかり!」という叫びを受け止めてくれていたとしたら。