シトラスの魔法が解けるまで

ホームに滑り込んできた新幹線の風が、私の髪を乱す。
4組の列。瀬戸くんの周りには、いつの間にか女子が何人も集まっていて、楽しそうに笑い声が上がっていた。
あの中に、結愛ちゃんもいるのかもしれない。
​(……やっぱり、無理だ)
​駆け寄ろうとした足が、見えない境界線に阻まれたみたいに止まる。
あんなに眩しい輪の中に、今の私は入っていけない。
私はただ、遠くから彼の後頭部を見つめることしかできなかった。
「莉奈、いくよ」
冴に背中を押されて、私は自分の号車へと乗り込んだ。