シトラスの魔法が解けるまで

​「うわ、なにこれ……」
いおワールドの入り口に着いた瞬間、私は絶句した。
そこには、私たちと同じ中学校から、来た生徒で埋まっていた。班別は市内で自由だから、他の班と同じになることなんて、そこまでないと思っていた。
「……これ、普通に並んだら班別行動の時間終わるよ」
真柴くんが時計を見て顔をしかめる。

「中学生の皆さんは、団体で受付します!」

すると、里紗が執念で「団体割引」の窓口を指差した。
「行くぞ!あと10分!」
​「10分って……魚見る時間ないじゃん!」
私の叫びも虚しく、里紗は「お土産だけでも見ようよ!」とショップへ走り出した。私と真柴くんも、せめて記念にとその後を追う。