シトラスの魔法が解けるまで

​「藤井、大丈夫? 昨日の冷やかし、まだ気にしてる?」
信号待ちの時、真柴くんが声を低くして聞いてきた。
「……もう、言わないで。でも、今日は瀬戸くんと離れてるから、少しだけ落ち着いて回れそう」
「ふーん。あいつ、今頃4組の班で死にそうな顔して歩いてると思うけどな。……お、見えたぞ、水族館!」
​目の前に現れた大きな建物。
青い海に面したその場所には、きっとたくさんの「青」が待っている。
PVは350に届きそうだ。
読者のみんなは、私がこの水族館で、彼に会えないまま終わると思っているのかな?
​『女子三人の愚痴と、カメラを抱えた男子の背中。
凸凹な四人の足音は、潮風に吹かれて水族館へと続いていく。
瀬戸くんのいない最終日。
けれど、この青い空間のどこかで、私はまた、彼と同じ「何か」を見つける予感がしていた。』