シトラスの魔法が解けるまで

指宿での体験を終え、ようやくホテルに到着した。
夕食会場には、女子の方が先に集まっていた。私はクラスの子達と席に座り、今日の「藍染め」の楽しさを分かち合おうとしていた。
そこへ、少し遅れて男子たちがドタドタと入ってくる。
​(あ、真柴くんだ)
​入り口の方に真柴くんの姿を見つけ、私はバスでの「視界ブロック」を思い出して、わざと少しだけ頬を膨らませた。
「……私、怒ってるからね」
真柴くんが私の横を通る瞬間に、小さく呟いた。