今夜、この街にあの日の流星群が降る

溶けそうなくらいに暑い夏。


今日の気温は36℃。


放課後、サッカー部の斉藤先輩と西井先輩が2人で試合をしていた。


2人とも汗をびっしょりかいて、一生懸命ボールを追っている。


2人はサッカー部のエースで、いつも1位と2位を争っている。


しかし、次の大会に出られるのは2人のうちどちらか1人だけだった。


大会に出るために決着をつけているところだ。


周りにはたくさんの女子が集まっている。


どうやら2人にはファンクラブがあるようだ。


確かに顔はカッコいいし、勉強もスポーツもできる。


そりゃあモテて当然だけれど、あたしは興味がなかった。


女子たちの後ろを通って、行きつけの図書館に行く。


ここはいつも静かで、落ち着いていられる。


勉強をするのに最適だ。


けれど今日は勉強をする気にはなれなかった。


あたしは本を読もうと思って、本棚の方に向かった。


本はあまり読まない。


というか、好きではないと言った方が正しいだろうか。


文字が多くてすぐに飽きてしまうからだ。


だけど、なぜか今日は本を読む気になった。


「あんまりいい本ないなー」


一冊一冊手に取ってみるが、何か違う。


本棚の端まで来て、ふと横に置いてある机に目を向けた。


そこには、新聞が置いてあった。


「これだ」


あたしは気になる記事を見つけて手に取った。


それは、約100年前の出来事が書かれた記事だった。


その記事には『100年前、里堀街に世にも珍しい現象が起きた。それは大きな隕石と流星群が同時に降り、多くの方が犠牲となったということだ』と書かれていた。


そして、この事故で亡くなった人たちの名前が載っていた。


あたしは、なんとなくその名前を見た。


相原智子(74)



木原和良(66)



逆木翔也(16)


「じゅ、16歳!?」


今のあたしと同じ年齢だった。


こんな若いのに早くに亡くなってしまったなんて…。


あたしは、『逆木翔也(16)』という文字から目が離せなかった。


自分と同い年ということもあるが、もうひとつ、何かが突っかかる気がしてならなかった。