社長と出会ってしまったら、甘く溺愛されるだけ。

週末は思ったよりすぐに来て、私はクローゼットを広げて一番お気に入りのスカートとブラウスを取り出す。

そしてよぎるのは恥ずかしすぎる自分のメッセージ。

『一番お気に入りの服を着て行きますからね!!!』

本当に動揺していたとは言え、何をしているのだろう。

思い出してうずくまりたくなる気持ちを何とか抑えて、着替えを済まし、メイクをして髪を整える。

待ち合わせ時間から逆算して、家を出る十五分前までには私は全ての準備を終わらせていた。

いつも会社に行く時はギリギリで慌てまくっているのに、こういう時だけちゃっかり準備を終わらせていることで「自分が社長との出かかけを楽しみにしていた」ことを実感する。

こういう残り十五分の使い方が一番困るものだが、することがないのでついスマホを開いてみたり、鏡で身だしなみを確認したり……それでもソワソワは治らなくて、私は結局予定出発時刻の十分前には家を出ていた。