社長と出会ってしまったら、甘く溺愛されるだけ。

エレベーターで最上階まで行き、屋上に向かう階段を駆け上がる。

社長はもう階段の一番上に腰掛けていた。

美しいスーツ姿の社長に薄暗い踊り場は似合わなくて、どう考えても浮いている。

「すみません! 遅くなりました!」

私が頭を下げて謝ると、社長は「全然大丈夫だよ。仕事していたから」と笑っている。

確かに社長の手には書類があって、ついさっきまで読んでいたようだった。

「やっぱりお忙しいですよね……」

「浜本さんのお陰で昨日あの後も休めたから元気なんだ。本当にありがとう」

「一日で疲れが取れるわけっ……!」