桜木学園、歴史研究科百人一首部 〜桜の下、託された記憶〜

 それは、ケースに入れられたCDだった。
「これ、俺の曲が入ったCDだよ。紅の涙って知ってる? 君への想いを映した曲を、君本人に聞いて欲しいんだ」
 藤堂くんは、そのケースを私に渡そうと近づいてくる。
 あ・・・・・・。
 受け取るときに、彼の手に触れた。
 あたたかいと思う間もなく、次の瞬間には、私の手の中にCDケースがおさまっていた。
「ありがとう藤堂くん。今日帰ったら聴いてみるね!」
 私がそう言うと、藤堂くんは優しく笑った。