放課後。
なんとか課題を終わらせたリノアは陽気に寝ている。
みんなはもう帰ってしまい、教室には私とリノアの二人だけだ。
今、私たちは二人でいるから大丈夫。
リノアを起こすのも申し訳ないし、私も寝よう。
私はそっと自分の机に伏せた。
*
「亜紀、亜紀!」
「ん…」
目を開けると、リノアが私の肩を揺すっていた。
「もう18時だよ!早く帰らないと」
リノアの言葉に眠気が飛んでいった。
私たちは急いで荷物をまとめて廊下に出た。
「走ろう」
ひとりにならないように、手を繋いで廊下を走る。
そして、角を曲がったところで人影が見えた。
「待って、誰かいる」
遠くて誰だか分からない。
もしかしておじいさん?
だとしたら、向こうにひとりでいる生徒がいるかもしれない。
そう思ったが、リノアがカバンからメガネを取り出してかけるとよく見えたようで、
「あっ、悠介…」
と照れたように言った。
悠介くんはリノアの幼馴染で、リノアが片想いしている相手だ。
「こんな時間に何してるんだろうね」
リノアはそんな私の声にも気づいていないようだ。
「悠介ー!」
リノアは私の手を引いて悠介くんのところへ走り出した。
が、悠介くんはそれを阻止した。
「リノア!来るな!」
「え?」
リノアは悲しそうに足を止めた。
「そこの階段からおりろ!絶対に振り向くな!」
私たちの右隣には階段がある。
私もリノアもわけがわからなかったが、悠介くんの言う通り、階段をおりることにした。
そのとき、私の左目の視界に何かが映り込んだ。
と同時に悠介くんの叫び声と、バキッという音が聞こえた。
恐る恐る左を向くと…
「きゃああああああ!」
悠介くんはこちらを向いて、血を流して倒れていた。
「悠介…悠介!」
悠介くんの元に走り出そうとするリノアを止めて、一気に階段をおりた。
まだ近くにおじいさんがいるかもしれない。
そんな恐怖がよぎった。
なんとか生徒玄関まで走り抜けて、靴も履き替えないまま学校を飛び出した。
「亜紀、悠介…悠介が!」
リノアが何度も何度も、悠介くんの名前を口にする。
その気持ちは十分分かる。
だって、好きな人が目の前で死んでしまったのだから。
私たちは交差点の手前で別れて、各自家に帰った。
本当ならリノアを家まで送って行っただろうけど、今の私は恐怖に怯えていて送れる状況ではなかった。
「ただいまー」
いつもより帰りが遅い私に、お母さんは平手打ちをした。
「あんた、今何時だと思ってるの!遅くなるなら連絡くらいしなさいよ!」
お母さんは本気で私を心配してくれている。
「ごめんなさい」
「全くもう」
お母さんはドタドタと足音を立てながらリビングに戻って行った。
「はぁ…」
私は自分の部屋に戻り、そのままベッドで眠ってしまった。
なんとか課題を終わらせたリノアは陽気に寝ている。
みんなはもう帰ってしまい、教室には私とリノアの二人だけだ。
今、私たちは二人でいるから大丈夫。
リノアを起こすのも申し訳ないし、私も寝よう。
私はそっと自分の机に伏せた。
*
「亜紀、亜紀!」
「ん…」
目を開けると、リノアが私の肩を揺すっていた。
「もう18時だよ!早く帰らないと」
リノアの言葉に眠気が飛んでいった。
私たちは急いで荷物をまとめて廊下に出た。
「走ろう」
ひとりにならないように、手を繋いで廊下を走る。
そして、角を曲がったところで人影が見えた。
「待って、誰かいる」
遠くて誰だか分からない。
もしかしておじいさん?
だとしたら、向こうにひとりでいる生徒がいるかもしれない。
そう思ったが、リノアがカバンからメガネを取り出してかけるとよく見えたようで、
「あっ、悠介…」
と照れたように言った。
悠介くんはリノアの幼馴染で、リノアが片想いしている相手だ。
「こんな時間に何してるんだろうね」
リノアはそんな私の声にも気づいていないようだ。
「悠介ー!」
リノアは私の手を引いて悠介くんのところへ走り出した。
が、悠介くんはそれを阻止した。
「リノア!来るな!」
「え?」
リノアは悲しそうに足を止めた。
「そこの階段からおりろ!絶対に振り向くな!」
私たちの右隣には階段がある。
私もリノアもわけがわからなかったが、悠介くんの言う通り、階段をおりることにした。
そのとき、私の左目の視界に何かが映り込んだ。
と同時に悠介くんの叫び声と、バキッという音が聞こえた。
恐る恐る左を向くと…
「きゃああああああ!」
悠介くんはこちらを向いて、血を流して倒れていた。
「悠介…悠介!」
悠介くんの元に走り出そうとするリノアを止めて、一気に階段をおりた。
まだ近くにおじいさんがいるかもしれない。
そんな恐怖がよぎった。
なんとか生徒玄関まで走り抜けて、靴も履き替えないまま学校を飛び出した。
「亜紀、悠介…悠介が!」
リノアが何度も何度も、悠介くんの名前を口にする。
その気持ちは十分分かる。
だって、好きな人が目の前で死んでしまったのだから。
私たちは交差点の手前で別れて、各自家に帰った。
本当ならリノアを家まで送って行っただろうけど、今の私は恐怖に怯えていて送れる状況ではなかった。
「ただいまー」
いつもより帰りが遅い私に、お母さんは平手打ちをした。
「あんた、今何時だと思ってるの!遅くなるなら連絡くらいしなさいよ!」
お母さんは本気で私を心配してくれている。
「ごめんなさい」
「全くもう」
お母さんはドタドタと足音を立てながらリビングに戻って行った。
「はぁ…」
私は自分の部屋に戻り、そのままベッドで眠ってしまった。



