続々と来ていた他の生徒も、〝櫂くんと善くん、来たんじゃない?〟〝今日も拝めて嬉しすぎる〟と口々に、テンションを上げている。
私は興味を示さないつもりだったけど、もやしさんの声がしないことが気になりすぎて、豪快な笑い声とともに教室が一気に熱気に包まれた時、教室の入り口に目を向けてしまった。
「…うわ、やば。いたんじゃん…」
最上級に可愛く着飾った女の人たちに囲まれた中に二人、男の人。その中の一人、もやしさんとばっちり目が合った。向こうも私の存在に気付いたようで、私が目を見開いて焦っていると、眉間に皺を寄せてあからさまに嫌な顔をされた。
顔は逸らしたけど、目が合ったことはお互い分かっているし、このまま無視では終わらないよね。
「見といて、無視かよ」
「ひっ…」
わざわざ席まで行って挨拶するか迷っている間に、私の真横に既にいて、漫画みたいな小さな悲鳴を上げた。
「おはようございます…」
「あんた、名前は」
「的井、灯早…、です」
何故か名前を聞かれて答えるも、何も言わない微妙な反応。聞いたんなら何か言ってよ。挨拶も返してもらってないし。
「あなたは…、櫂さん、ですよね」
「そうだけど」
「良くおモテになりますね…」
「は?喧嘩売ってんの?」



