「ちょっと待っててね」
ごぼうさんと一緒に家に入っていった園田さんは、スコップと手のひらに乗るサイズの鉢植えを持ってすぐに出てきた。
「君にプレゼントしたい花なんだけどね…」
花の周りをうろうろとすると、門と玄関の中間に植っていた花を土と一緒に抜き取って、鉢植えに入れてくれる。紫色の花で、小さい葡萄のような見た目。この花、見たことがある。
「ムスカリですか?」
「よく分かったね。ムスカリは明るい未来っていう花言葉があって、それが灯早ちゃんにぴったりだと思ってね」
「ありがとうございます。大事に育てます。あの、園田さん。ちなみになんですけど、この豪邸って…」
「豪邸ってほどでもないけど、ここは寮でね」
寮か。だから大きい建物なんだ。にしても、花の管理が大変そうな土地の大きさで、初めて見た人は圧倒されてしまう。
「櫂と善はここの住人。さっき二人いたでしょ」
「厳つい人と優しい人…」
「そうそう。正反対だからね。多分灯早ちゃんと同級生だよ。灯早ちゃん、一年生でしょ?」
もやしさんとごぼうさん、まさか同級生だとは思わなかった。大人っぽい余裕が見えたし、てっきり年上かと。



