善「どうした?」
「善くん…、顔色悪いけど」
善「うん…。実は灯早ちゃんを探し回ってる時、雨に降られちゃって。傘持ってなかったから濡れちゃったんだけど、放置してたら今更寒気してきた」
櫂くんといい善くんといい、ここまで私のことを心配してくれていると思わず、振り回していたなんて。
「ごめんなさい…」
善「何で灯早ちゃんが謝るの?僕が勝手に探してただけだから。櫂には諦めろって言われたんだけど、灯早ちゃんにこの家にいてほしくて」
そうだ。櫂くんと善くんは私がこの寮に住むこと、知らないんだった。二人して連絡してきてくれたのは、そのためだったんだ。それも知らず無視したら、そりゃあ櫂くんも怒るよね。
「今日から、ここに住むことになったの。さっき悠馬さんに手伝ってもらって、契約してきて」
善「…本当?この家にいてくれるの?これから一緒に住める?」
「うん」
善「まじで嬉しい…。櫂にも知らせなきゃ」
体がしんどいはずなのに、部屋を出て櫂くんの部屋の扉を何度も叩き、鬱陶しそうな声の櫂くんに私のことを伝えてくれる善くん。知らせを聞いた櫂くんは、一瞬私を見ただけですぐに逸らし、〝俺には関係ないから〟とすぐに扉を閉めてしまった。
善「櫂、灯早ちゃんのこと心配してたから。怒ってるわけじゃないと思うよ」
「いや、怒られて当然だから。それに善くんも、具合悪くなるまで…。薬飲んでゆっくり休んでください」
善「僕の意思だから。自分のこと、責めないで。…あ、灯早ちゃんがもう責めないように、一個提案があるんだけど…、良いかな?」



