陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





悠「行こっか」


「はい」




顔の怖さからは想像もつかない、節が見えない柔らかい手に握られたまま、チェーン店のカフェに入った。悠馬さん自身が許嫁のことを思い出さないように、しょうもないことばかり話して笑わせてくれていて、心の奥に寂しさが残ってうまく笑えなかった。




悠「灯早ちゃんの話も聞かせてよ」


「私の話ですか?何も面白いこと、ないですよ」


悠「面白くなくて良いよ。普段どういうことしてるとか、そういうので良い」





家族のことを話すつもりはなかった。それ以外で思いつくことといえば…。




「そういえば今日、善くんが私の連絡先を勝手に交換してて。気づかないうちに携帯取られたと思ったら、数秒の間に私の連絡先取ってたんですよ。櫂くんもそれ見てて分かってるのに、全然助けてくれなくて」


悠「…そうなんだ」




私の中では面白い話で、ついでに善くんと櫂くんの性格とか奇妙な行動で一緒に笑いたかったのに、私の方を見てるのに悠馬さんは頬杖をついて拗ねているように見える。




「…面白くなかったですか?一応笑い話なんですけど」


悠「つまんない。灯早ちゃんを独り占めした意味ないじゃん」


「あ…、ごめん、なさい」


悠「善と櫂と仲良いのは構わないけど、今はその話してほしくないな」





だから拗ねてたのか。納得して謝ると、悠馬さんの拗ねも解除された。でも櫂くんと善くんの話を抜きにして、それ以外の面白い話なんて思いつかなくて、どれだけ私の大学生活が二人に侵食されているのか、ひしひしと感じた。