陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





そんなの、返事できない。悠馬さんには許嫁がいるって。分かってるのにデートだなんて言われて、頷けない。迷っていると、悠馬さんの瞳が揺れる。




悠「もしかして許嫁のこと、知ってんの」


「はい…、櫂くんから、聞きました」


悠「あいつ…、余計なことすんなよ」




オールバックに眉間に皺は、完全に怖い。しかも、そのまま私に視線を向けてくるから私まで身構えてしまって、一歩後ろに下がった。


私が下がったのを見て、眉間の皺を解除すると大きく一歩、私にまた近づく。そして、私の手を反応を伺うようにゆっくり掬い上げた。




悠「今日だけは、忘れさせてほしい」




忘れさせてほしいというのは、現実と向き合いたくないってこと?俯いたまま、握られた手の甲を悠馬さんの親指が何度も行き来して、くすぐったい。許嫁って言われてる人は、悠馬さんにこういうこと、されるのかな。ちゃんと好き同士で結婚するのかな。


色んな考えが浮かんで、全部声にならずに空気に溶けた。ここで頷いたら、不倫を認めることになる。でも悠馬さんのSOSは無視したくない。今日だけ…。自分の心に言い聞かせて、悠馬さんの手を軽く握った。




悠「…悪い子だね」


「悠馬さんから言ってきたんですから、同罪です」


悠「そんな言い方、やめてよ」





表情が一気に柔らかくなると、何かを断ち切るように深呼吸をする悠馬さん。