陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





櫂「まじで作ってくれんの?あ、でもあいつらの飯はなしな。俺だけに作ってほしいわ」


「何それ(笑)独占欲ですか?」


櫂「そうですけど?こんな美味い飯、あいつらには絶対食わせん」




櫂くんの表情は少し戻って、あの返事で良かったみたい。〝俺だけに作ってほしい〟なんて嬉しい言葉ももらえたし、照れ隠しに大袈裟に聞いてみると、思いの外素直な言葉が返ってきて、目が泳いだ。




櫂「自分で仕掛けといて、その反応かよ(笑)」


「いや…、そう来るとは思わなくて」


櫂「予防線くらい、張っとけよ」


「すみません…」




また食器を洗う水の音だけが響く。時々、食器を手渡す時に指がぶつかって、変に意識してしまう自分を気持ち悪がりながら、最後の食器を洗い終える。




「これ、最後ね」


櫂「はいよ」




部屋に戻ったら、荷物を持って出なきゃ。大学で安く借りれる家も探して…。と、自分のことを考えるたびに足が重くなる。家があるって当たり前じゃないんだと、改めて思わされる。無意識に出たため息に、櫂くんが眉をひそめた。




櫂「他人ん家に不幸をばら撒くなよ」


「失礼しました…」


櫂「これから住む家のこと、考えてたんだろ」


「うん。色々と当たり前じゃないんだなと思って」




こうやって園田さんの好意で泊めてもらえるのも、当たり前じゃないし、ご飯を食べられるのも、そう。




櫂「あんまり深く考えんなよ。灯早は考えてること、口に出さなさすぎ」