陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





善「櫂、今灯早ちゃんのこと、なんて言った?」


櫂「…何も」


悠「灯早」


櫂「おい悠馬…」


善「だよね!?そうだよね?呼び捨てだったよね?」




毎日こんなに賑やかなんだろうか。まぁ賑やかなのは善さんだけで、一人盛り上がってみんなで宥めてるんだろうなと考えるだけで、この空間が羨ましかった。



園「はいはいみんな、せっかく作ってくれたご飯冷めちゃうから。食べよう」



園田さんの一声で、全員で手を合わせて箸に手をつけた。笑顔を見ながら、騒がしく明るい声を聞きながら、この上ない幸せを噛み締めてご飯を食べた。


食べ終わると、大学に行く人や部屋で勉強をする人、それぞれ散っていき、私はまだ時間があったから洗い物に手をつけた。




櫂「俺も手伝う」


「ありがとう」




洗った食器を手渡して、櫂くんが流してくれる。会話はなく、ただ洗った食器を渡すだけ。カチャカチャと音が鳴り響く中、櫂くんが目も合わせずに小声で私に話しかける。




櫂「美味かった」


「…ありがとう。ただの朝ごはんだけどね」


櫂「何か、沁みたわ。母ちゃんが作ってくれたご飯に似てたから」




そう話してくれた櫂くんは、大昔の思い出を引っ張ってきたように懐かしむ表情をしていて、園田さんが話してくれた櫂くんの両親のことを思い出した。




「…いつでも作るよ。私で良ければ」




当たり障りのない、過去は探らないような言い方をしてみた。