陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





櫂「急用、大丈夫じゃなかったのかよ」


「いや、大丈夫」


櫂「なら何で電話かけてくんの」


「ごめん…、そうだよね。切る」




面倒なことは嫌いだもんね。サバサバしてる方が、楽だよね。こちらから切ろうとすると、櫂くんの慌てた声が聞こえる。




櫂「別に怒ってるわけじゃねぇよ。何かあるからかけてきたんだろ。言えよ」




面倒くさそうにも聞こえるけど、私の気持ちを察してくれる優しさもあって。明日からの住む家を突然なくした私の心の弱さか、櫂くんは関係ないのに巻き込みたくなった。





「明日から、住む家がない」


櫂「…は?」


「ホームレスになるかも」




言い方はだいぶ盛ったけど、しばらく公園のベンチで寝ることになるのかなとは考えていたから、あながち間違いではない。




「ちょっと今混乱してて…」


櫂「それは俺もだわ。今どこ」


「今、家…」


櫂「誰かいんの」


「両親はいるけど」


櫂「親はどうなんの」


「明日から海外に行くって」


櫂「は?勝手すぎかよ」




私の頭の中を整理させてくれるように、一つひとつ質問してくれて、段々と冷静になれた。


そうか。両親は明日から海外に行って、私は一人なんだ。冷静すぎるくらいに、今の状況を静かに理解した。




櫂「行くあては」


「…ない」


櫂「…家、来れば」





今日、その言葉を聞いた覚えがある。何の前触れもなく家に誘われたなんて、勘違いした言葉。今は誘われたなんて思わない。救われてる。




櫂「部屋空いてるし」


「うん」


櫂「待ってるから」





そう言って切れた。短い櫂くんの言葉のトーンはぶっきらぼうだったけど、私にとってはとても優しくて、温かった。