もっと詳しく聞こうとしたところで家に着いてしまい、話は途切れてしまった。
園田さんが水やりをしているのが見えて、櫂くんが駆け寄る。
櫂「連れてきたぞ」
園「あ、ありがと。いつも使って悪いね」
櫂「そう思うなら、トイレ掃除免除」
園「それは譲らない。ほれ、お客さんにお茶」
二人の間に交換条件があるらしく、小競り合いをしていたけど、園田さんには勝てないらしい。深いため息を吐いて家に入っていく櫂くんは園田さんに従順で、意外な一面を見た。
「櫂くんって、素直じゃないですよね」
園「おっ。もう櫂のこと攻略したの?」
「攻略ってほどでもないですけど、どういう性格の人かは何となく掴めてきました」
園田さんは玄関を遠い目で見つめて、クスッと笑った。
園「ちょっと櫂の話しても良い?」
花壇のそばに腰掛ける園田さん。私も同じように隣に腰掛けた。
園「小さい頃はとにかく甘えん坊で、母親から離れなかった子でね」
「今の櫂くんからは想像できないですね」
園「でしょ?でも櫂が五歳の時に、両親が事故で死んでから、人が変わったみたいにみんなに冷たくなって。僕には時々話してくれるけど、どうせ自分の前から消えてくなら、必要以上に近寄らないって決めたらしいよ」



