「善くん…。何か怖いんだけど…」
善「…あ、人いっぱいだから?仕方ないよ、男ばっかりのサークルだから、威圧感はあるよね」
「……確認なんだけど。善くんと櫂くんが入ってるサークルって、女の人はいないの?」
善「いないよ?何なら女禁止のサークルだから」
この状況で変かもしれないけど、力が入っていた肩が一気に緩んだ。私を見ていた男の人たちも、クスクスと笑い出す。私が嫌がっていたことは、何一つ心配いらなかったってこと?
「でも善くん、女の人に会えるからって楽しみにしてたじゃん」
善「ここの店員さん、めっちゃ可愛いの。同い年くらいだから、会えるの楽しみにしてた」
「もう…!善くんのバカ!」
〝えぇ…〟と戸惑う善くんを無視して、まだ眠っている櫂くんの隣に座った。規則正しい寝息が聞こえる。気持ちよさそうに眠っていて、こんな寒いのによく眠れるなと鼻を摘んだ。嫌がることもなく善くんの肩に頭を乗せて眠り続ける櫂くん。
「ねぇ、もしかして櫂の彼女?」
「…え、いや。彼女では」
「でも櫂、同じ寮に住んでる女の子が可愛くて仕方ないって。君のことじゃないの?」
卒業生が主役の送別会で、櫂くんは一体何を話したんだ。同じ寮には住んでいるけど、そんなに甘い人だった覚えはない。
「櫂のこと、大事にしてあげてね。どうやったら振り向いてもらえるのとか、めっちゃ相談受けててさ。やっと実りそうって喜んでたから、俺も応援したいんだよね」
「ありがとうございます…」



