善「ごめん!位置情報送るから、そこに来て!」
電話が切れると、すぐに善くんからお店の位置情報が送られてきた。ここからならすぐ着ける。でも酔っている櫂くんを運ぶとなると、私が潰れそうなのでタクシーを呼ぶことにした。園田さんも今日は、古い友人と花について語ると言っていたし、そんな人を連れ出せない。タクシーをお店にまわして、私はお店まで走った。
女の人たちに飲まされて酔っている櫂くんを想像して、走りながら首を振る。メンヘラは出したくないけど、こういう時の女の人の怖さを知らない男の人の、軽薄な行動には呆れる。
お店に着いた途端キレてしまわないように、まわりに女の人がいる想定で、セリフを何度もシミュレーションした。敢えて余裕を見せるように。そしてお店に近づくと、タクシーはまだ着いていなくて、お店の外にあるベンチで善くんにもたれかかって眠っている櫂くんがいた。
善「灯早ちゃん!ほんっとにごめんね!」
「大丈夫?寝てるけど」
善「酔うと寝ちゃうんだよ、こいつ。電話の後、すぐ寝た」
「そっか…。あ、タクシーもうすぐ来ると思うから」
お酒飲むと、寝ちゃうんだ。そんなの、女の人に隙見せまくってるじゃん。櫂くんと善くんのまわりにもまだ人がたくさんいて、ちらっと見ると思わず二度見してしまった。
女の人が誰一人いなくて、目の前には男臭い集団。卒業生と思われる人も何人かいて、私をジロジロと見ている。善くんがいるから良いけど、何だか怖い。



