善くんは嬉しそうに話してくれたけど、そうなると同じサークルの櫂くんもその送別会に参加するということ。集ってくる女の人は嫌がるけど、それでも数時間は同じ空間にいる。櫂くんはどうするんだろう。行かないのかな。
ほんの少しの期待を胸に、帰ってきた櫂くんに送別会の話をすると、私の不安を上乗せするように簡単に頷いた。
「あ、行くの?」
櫂「何で?先輩の送別会なら行くだろ」
「ろくに参加もしてないサークルなのに?」
櫂「幽霊会員でも、全額自己負担じゃないなら行く」
〝そっか…〟その言葉しか返せなかった。止める余地なし、といった感じ。まわりに女の人がいることを、櫂くんは気にしていないかもしれないけど、私は一応気にする。すぐ嫉妬しちゃうし。
櫂「灯早も行きたいの?」
「行かない!サークルの人じゃないし。それに、目の前で櫂くんを狙ってる人たち見るの、嫌だ」
不貞腐れながら言うと、何やらニヤニヤしながら私を覗き込んできた。
「…何」
櫂「灯早の嫉妬は、クセになるな。そう言われると、連れて行きたくなる」
「本当に行かないからね!?行くんなら勝手に行ってきて!」
これ以上覗き込まれたくなくて、肩を押して距離を取ると、まだ笑っている。もう冷やかしは良いから。女の人に勧められるまま、お酒を飲みまくって酔い潰れば良い。



