十一月の終わり、就職活動を終えて、卒業を控えた先輩たちとの別れが迫っていた。サークルに無所属の私は、別れを惜しむ在学生たちを横目に、別のことで頭を悩ませている。頭を悩ます理由は、櫂くん。
十月、私の誕生日パーティーの時に櫂くんを不安にさせていたことに気づけたのは良かったものの、二人で出掛けたことがないという櫂くんのぼやきには未だに応えられていない。悠馬さんと善くんの時は、不可抗力。自然な流れで二人になったから、日時を合わせて会うのは、肩に力が入る。
園「灯早ちゃん、今日は何の悩みで花の水やり?ちょっと水やりすぎかな」
「あ、ごめんなさい!」
水溜まりができた花壇を見て焦る私と、そんな私を見て笑う園田さん。せっかく綺麗に植えてもらった花なのに。
園「櫂の悩みなんだろうね。青春なんだから、いくらでも悩みなさい。悩んで、たくさん恋愛して、二人で成長していったら良いよ」
何も言わなくても見抜いている園田さんには、敵わない。気持ち、項垂れてしまった花の水やりを終えたところで、突然の身震いする北風とともに、何やら楽しそうにスキップして善くんが帰ってきた。
「おかえり。楽しそう」
善「ただいま!聞いてくれる?」
聞いてくれるのを待ってましたと食い気味に、スキップの理由を教えてくれた。十二月初め、サークルの仲間と卒業する先輩たちの送別会をすることになったらしい。スキップは、サークルに女の人がたくさんいるから。



