陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




触れたら私まで怯えられそうで、ある程度の距離を取って話しかける。




「…善くん。お母さん、出ていったみたいだよ」


善「……ありがと」




フラッシュバックは、整うまで時間がかかる。深呼吸をしても、心の揺れ動きをコントロールするのは、難しい。




「私、ここにいるからね」


善「うん…」




私が善くんにできるのは、これだけ。近くにいることしかできないけど、それで善くんの気持ちが落ち着くなら、いつまでも隣にいる。グラスを下げにきた店主が、心配そうにこちらを見ていたけど、手で制止してグラスだけ手渡した。




善「灯早ちゃん」


「ん?」




落ち着いたのか、顔を上げて私を見ていた善くん。私に向かって両手を広げていて、何となく何をしてほしいのか察したけど、あえて知らないふりをして首を傾げた。




善「ん」


「…ん?」


善「ん!」




正直、自分から触れるのが怖かったっていうのもある。でも、善くんが笑う私の手を引いて胸におさまったことで、その気持ちは消えた。




善「会えて良かった。着いてきてくれて、ありがとう」


「どういたしまして。ちゃんと言えてたね」


善「灯早ちゃんが近くにいてくれたから。一人じゃないって思えたら、ちゃんと言えた」





善くんは、お母さんにちゃんとしたお母さんをしてほしかったんだと思っていた。私は我儘だったのかな。もう戻らないと分かっていて、修復を望んだ私。いつまでも引きずるのも納得できる。いつかお母さんが連絡をくれるかもって期待するから、しんどくなるんだ。