陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




店主の言葉に左右を見渡すと、出入り口のすぐ右の席に不健康に痩せ細った女性が、窓の方を向いて座っていた。会ったことはないけど、直感で善くんのお母さんだと確信した。お母さんからは私が見えない席に腰掛けると、やはり善くんがいて座る私をじっと見ていた。


拳を見せると、小さく頷きお母さんを見た善くん。まだ会話はなかったようで、お母さんもずっと下を見ている。




「アイスコーヒーをお願いします」




善くんのお母さんと同じ、アイスコーヒーを頼んだ。善くんの前にはメロンソーダ、お母さんの前には大粒の水滴が垂れて水溜まりができている、アイスコーヒーが置かれている。


いつものおちゃらけた雰囲気は一切なく、ソワソワと視線を泳がせて、メロンソーダの上に乗るアイスに手をつけた。




「…メロンソーダ、今でも好きなのね」


善「え?今でも?」




突然口を開いたお母さんに、手を止める善くん。




「ここにお父さんと三人で来た時、迷わずにメロンソーダを頼んでたのよ」


善「そう、なんだ」



善くんもお母さんも、出方を探っているように見える。食べにくそうにお母さんの様子を伺っていて、昔の癖は抜けないものだとよく分かる。その証拠に、お母さんがアイスコーヒーを飲もうとグラスに手をかけるたびに、善くんの体が跳ね上がり防御態勢に入っている。




「…大きくなったね。お母さんには全然似てない」