陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい




許嫁先の家業を継ぐために、たっぷりつけていたワックスを卒業した悠馬さんに会ってから、二週間。


毎日私の存在を確かめるたびに、こちらをニコニコと見つめてくる櫂くん。何も言わずにただ見つめてくるだけなので、私はどうしたら良いか分からず、目を伏せて会釈をするだけ。



嫉妬した私が余程ツボだったらしく、いつどんな時でも玲奈に話しかけては、私の方をチラッと見てくる。もう絶対嫉妬しないと決めたので、無視をすると〝しょうもな〟と私が悪いかのように拗ねる。




「あの。もう罰ゲームは良いんじゃないかな」


櫂「罰どころか、ご褒美だし」




あ、終わらないんだ。私が無視するしかないようで、櫂くんの視線を無視して数日。無視も段々と疲れてきた頃、部屋の扉を荒々しく叩かれる。




善「灯早ちゃんごめん!善だけど!」




開けると満面の笑みがそこにあった。お母さんが入っている刑務所に手紙を送ると、昔三人で行ったことがある喫茶店で会いましょうと手紙が返ってきたらしい。




「良い返事が来て良かったね」


善「うん、ありがとう。それでね、出所日に会うんだけど、来週なんだ。十月七日なんだけど…、空いてる?」


「うん。いつでも空いてるよ」


善「本っ当にありがとね」




喜ぶ善くんの声が弾んでいて、お母さんに会うのを楽しみにしているのが伝わってきた。いつものハーレムの時に調子に乗っている善くんの声とは違う、これが本当の善くんなんだと思えた。精神年齢だけが大人びた、母親を健気に愛しく待つ子ども。