悠「あと、灯早ちゃんの恋愛相談を受けてたの。櫂が他の女の子と話してるの見て、嫉妬したんだって」
「ちょっと悠馬さん!言わないでよ!」
もう遅いけど、悠馬さんの口を塞ごうと慌てて近づくのに、邪魔する私の手を軽々しく背伸びして避ける悠馬さん。櫂くんは、わざと口を滑らせた悠馬さんの言葉と、焦る私を交互に見て意味深に口角を上げる。
櫂「俺を避けてたのは、それなんだな」
「…ノーコメントで」
首を折って、櫂くんに言われるこれからの辛辣な言葉に耐える準備をする。でも、櫂くんが私に近づいてくると、頭に手が乗って髪が乱れるほど撫でられた。
櫂「可愛いとこあんじゃん」
「え?嫌じゃないの?」
櫂「俺は満足。灯早が俺に嫉妬ね…。良い響き」
乱れを直すように髪を梳かされると、にこやかに最後にポンと手を置かれて、〝水やりよろしくー〟と家に入っていった。
「…えっと。幻滅、されなかったですよね?」
悠「作戦大成功」
まだ理解しきれていないまま、悠馬さんに向き直ると、ダブルピースをもらった。
「あ、ありがとうございます」
むやみやたらと話したように思えたけど、悠馬さんなりの作戦とやらに救われた。どうやら、嫉妬はしても良かったみたい。



