「帰ったら花の水やりしようと思ってたんですけど、悠馬さんがいるならやめます」
悠「良いよ、してきてよ。あ、それか一緒にする?」
「はい!」
外にいる園田さんに水やりを手伝うと話すと、〝櫂と何かあったの?〟と早速バレていて、苦笑い。私の後ろで腕捲りをして出てきた悠馬さんを見て、それ以上は何も言わずにバケツを渡してくれた。
花はただ揺れて、水をあげると潤ってくれて素直だから、考えすぎることなく純粋に向かい合える。無心になれるから、余計なことを考えずに答えを導き出せる。
でも今日は、その答えは出そうにない。私が正直に話すしか道はないことが分かってるから。櫂くんに察してほしいなんて、図々しいことは言わない。
悠「さっきおっちゃんと話してたけど、櫂と何があったの?」
「…聞こえてましたか」
悠「ごめん。聞くつもりはなかったんだけど」
「ううん、良いんです。私が櫂くんに嫉妬してるって…、本人に向かって言えるわけないのに、向こうが問い詰めてくるから、意地張って言えないんです」
悠「言うまで迫られてるわけだ」
じょうろで花に水をかけながら、声を出さずに大きく一回頷く。私が迫られる描写が悠馬さんの頭に浮かんだようで、〝櫂らしいな〟と天を仰いだ。
悠「櫂とは?櫂ならもう灯早ちゃんに気持ち、伝えてそうだね」
「うーん…。はっきりとは言われてないです。私も、はっきり言ったわけじゃないし」
悠「もどかしくて甘酸っぱいって感じ?」
「もう!冷やかさないで!」



