陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





耳元に顔が近づくと、小声でそう言われた。賑やかな善くんからは、あまり聞かないハスキーボイス。耳がくすぐったくて、でも心地良い低さを持った声で。善くんが離れて目が合うと、至近距離で笑顔を振り撒き、〝じゃあね〟と図書館の中の自習室に入っていった。


自分の様子がおかしい。心臓がうるさい。顔も熱いし、善くんの一挙手一投足が、頭の中で無限ループしている。




「落ち着け。アイドルとファンみたいなもんだよね。推し活だよね」




自分に言い聞かせるように、何度か瞬きをして二度頷く。唾を飲み込んで、気持ちを流した。至近距離のファンサービスなら、誰だって心臓が大きく動く。推し活だと思えば妙に納得したし、そう思うことにした。


善くんとの関係が解決したところで、まだ残っている問題があった。櫂くんへの嫉妬問題。四限まで授業を受けて家に帰ると、五限までみっちり授業が埋まっている櫂くんは当然いない。


そしてビックサプライズがあった。外の花壇の手入れをしてくれていた園田さんが、とても嬉しそうに柔らかい笑顔で出迎えてくれたから、何かあるのかと不思議に思って家に入る。




「…悠馬さん!どうしたんですか?」


悠「久しぶり。里帰りだよ」


「家は?ここにいても大丈夫なんですか?」


悠「実家に帰るって言ってあるし、ここも実家みたいなもんだから。間違ってないでしょ?」




あながち間違ってはいないけど、私がいることで一気に都合が悪くなるのは確かだから。悠馬さんがここを出ていったのも、それが理由だし。