櫂「分かったかも」
「え?」
櫂「灯早が俺を避けてる理由」
「え、何…」
櫂「キスしてほしいんだろ。花火大会の時もできなかったし、キスしたいけど恥ずかしくて言えないから、俺を避けたら気づいてくれると思ってんだ」
見当違いも甚だしい。わざとなの?ってぐらいに考えの路線が違う。自信満々で言われたので、すぐに首を横に振った。
櫂「それ以外ないだろ」
もういっそのこと、理由を恥ずかしがらずに話す?この鋭い目に見られ続けたら、逃げられないと察した。
善「櫂、何してんの。灯早ちゃん嫌がってんじゃん」
櫂「…邪魔すんなよ」
善くんの声がして、体の力が抜けた。それと同時に、櫂くんから舌打ちが聞こえてきて、逸らしていた視線を思わず櫂くんに戻す。善くんはここに何しにきたんだろう。櫂くんの言う通り、ここに来る人は滅多にいない。
善「灯早ちゃん、行こう」
体を私から善くんに向けていたから、左腕は解放されていたのを良いことに、善くんが私の手を引いて櫂くんから抜け出した。後ろでは扉を蹴る音が響いていて、家に帰ったら尋問かもしれないと寒気がした。



