陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





櫂「灯早!」


玲「灯早ー」




二人の声が聞こえて、泣きそうになった。何で二人も来るの?さっきの状況を受け入れられないまま、声をかけられたくない私は、嘘の電話をとった。


同時に肩を組んできた櫂くん。私が耳に携帯を当てているのを見ても、肩は組んだまま。何なら私の顔を覗き込んできた。泣きそうになっていたから、目も少し赤いし見られたくない。




「急ぎですか?あ、それならすぐに向かいます。もうすぐ着きますから。はい」




電話の相手なんていないのに、向こう側にいる架空の人に返事をして、櫂くんの腕をすり抜けた。私の腕を掴んで止めようとされたけど、それも交わして〝ごめん〟と口パクで断ると、あからさまに拗ねているのが分かった。


何で避けるの?みたいな戸惑った表情をしていて、涙を堪えるのに必死だった私は、櫂くんの顔を見ることができずに逃げた。



先に大学に着くと、当然用事もなく一限の教室に入る。教壇に近い左奥の席には人集りがあり、輪の中心にはもちろん善くん。探さなくても見つかる人は有難い。


でもそんな善くんに、今日は自分からは近づけなかった。近づいたら避けられそうで、同じ列の一番後ろの席に座る。ちらっとこちらを見ていた善くんと一瞬目が合ったけど、笑うこともなく私の存在を無視するかのように、ハーレムの女の人たちに目を向けた。


掴みどころがないくらい、いつも何かに笑っている善くんが、無表情で私を見ていた。高校時代の、大勢の中にポツンといた苦しい三年間が蘇る。クラスは賑やかなのに、私だけいないかのように誰も存在に気づかない、あの時間。深く黒いため息が出た。