陽キャのイケメンたちは地味で目立たない私に惚れたらしい





大学に着いたら、どのタイミングで善くんに話しかけようか。お弁当を一緒に食べた時?授業前?一人考え事をしながら歩くと、歩幅が小さくなって早足になる。下を向いて眉間に皺を刻んで。横断歩道手前で赤信号に変わってしまい、足を止める。私なりの方法でぶつかったら良いとアドバイスをもらったけど、善くんに拒否されて砕けたら意味がない。善くんに拒否されない策を練らないと。



一旦考えるのをやめて、顔を上げて深呼吸をすると、斜め前にあるコンビニにたむろしている男女二人が視界に入った。恐らく、櫂くんと玲奈。何やら楽しそうに話し込んでいて、櫂くんが笑顔で私以外の女の人と話すのを初めて見た。


間近では櫂くんが玲奈と話しているのは、何度も見たことがある。でも、玲奈がスキンシップで笑いながら櫂くんの腕に触れたのを見た時、ザクっと心臓を抉られた気がした。玲奈は誰にでも距離が近くて、スキンシップは日常茶飯事。そういう玲奈に嫉妬しているわけではない。櫂くんが女の人と話している事実に嫉妬した。


集ってくるからという理由で、女の人を避けていた櫂くん。スキンシップも嫌がっていなかった。どこかで、まだ告白されてはいないけど特別な存在になれたと思い込んでいたみたい。



光を無くした目で二人を見ていると、青信号に変わったことを知らせる音が鳴り、横断歩道を渡ろうと二人から目を逸らす瞬間、櫂くんが私を視界に捉えたのが見えた。多分追いかけてくるだろうから、追いつかれる前に気づかなかったふりをして急足で逃げないと。