内側からドン! ドン!と体当たりをするような音が聞こえるが、キューちゃんが鎮座している限りは扉はびくともしない。
でも……どうすればいいの!?
門を閉じればそれで封印完了なのかと思っていたら、どうやらそうではないらしい。
扉の両側にある取っ手にかんぬきを差し込んで、開かないようにするという手もある。
ランタンを掲げてあたりをよく確認してみると、剣の柄の部分と思われる部品を見つけた。
拾い上げてよく見ると、大きな宝玉がはめこまれている豪華なこしらえだ。
しかし肝心の剣身がない。
「もしかして……」
この剣をかんぬきとして使っていたのかもしれない。
魔石の暴発で壊れてしまったのだろう。
いま、わたしの手持ちの武器は短剣だ。
剣身が短すぎて、かんぬきの代用として使うのは不十分だろう。ほかにめぼしい物は見当たらない。
かといって、このままキューちゃんをここに残し、一旦わたしひとりでここを脱出することもできない。
理由はふたつ。
ひとつ目は、わたしが道順を知らないから。
迷子になってしまうのがオチだ。そうなれば、ここへ戻ることすら不可能になるかもしれない。
ふたつ目は、キューちゃんの期待を裏切ることになるから。
かつて英雄王子だったシリウスは、王となって落ち着いたらキューちゃんを迎えに来るつもりだったのだろう。
それまで待っていてほしいと言ったのだと思う。
キューちゃんはその約束を守り、健気にシリウスを待ちつづけていたのだ。彼が呪いで少年になってしまったとも知らず。
だから、シリウスが来ると聞いてあんなに喜んだにちがいない。
ここでまた待っていてほしいと言えば、気落ちするか怒りだすか……キューちゃんをそんな気持ちにさせたくない。
仕方ないから再び開け放った状態にして、キューちゃんと一緒に外へ出ようと決心しかけた時。
キューちゃんがキョロキョロしはじめたと思ったら、すっくと立ち上がった。
「どうしたの?」
「キュウゥゥン!」
キューちゃんはこちらを見ないまま、遠くの誰かに応えるように返事をする。
そして、止める間もなく駆けていってしまった。
「えぇぇぇぇっ!?」
わたしはわずかに開いた扉を慌てて閉めて押さえた。
キューちゃんの期待を裏切りたくないから置いてはいけないと悩ましく思っていたのに、向こうはあっさりわたしを置いていくとは。
いまから追いかけても、キューちゃんには到底追いつけないだろう。迷子確定だ。
「キューちゃん……それはないわ」
突然ひとりぼっちになって茫然としながらも、門を開け放ってはなるものかと押さえることは怠らない。
裏を返せばキューちゃんにこんな思いをさせずにすんだのだから、これでよかったのだとも思えてくる。
大丈夫。きっとキューちゃんは戻ってくるだろう。
それまで耐えてみせるわ!
わたしは足を踏ん張って扉を押さえつづけた。
でも……どうすればいいの!?
門を閉じればそれで封印完了なのかと思っていたら、どうやらそうではないらしい。
扉の両側にある取っ手にかんぬきを差し込んで、開かないようにするという手もある。
ランタンを掲げてあたりをよく確認してみると、剣の柄の部分と思われる部品を見つけた。
拾い上げてよく見ると、大きな宝玉がはめこまれている豪華なこしらえだ。
しかし肝心の剣身がない。
「もしかして……」
この剣をかんぬきとして使っていたのかもしれない。
魔石の暴発で壊れてしまったのだろう。
いま、わたしの手持ちの武器は短剣だ。
剣身が短すぎて、かんぬきの代用として使うのは不十分だろう。ほかにめぼしい物は見当たらない。
かといって、このままキューちゃんをここに残し、一旦わたしひとりでここを脱出することもできない。
理由はふたつ。
ひとつ目は、わたしが道順を知らないから。
迷子になってしまうのがオチだ。そうなれば、ここへ戻ることすら不可能になるかもしれない。
ふたつ目は、キューちゃんの期待を裏切ることになるから。
かつて英雄王子だったシリウスは、王となって落ち着いたらキューちゃんを迎えに来るつもりだったのだろう。
それまで待っていてほしいと言ったのだと思う。
キューちゃんはその約束を守り、健気にシリウスを待ちつづけていたのだ。彼が呪いで少年になってしまったとも知らず。
だから、シリウスが来ると聞いてあんなに喜んだにちがいない。
ここでまた待っていてほしいと言えば、気落ちするか怒りだすか……キューちゃんをそんな気持ちにさせたくない。
仕方ないから再び開け放った状態にして、キューちゃんと一緒に外へ出ようと決心しかけた時。
キューちゃんがキョロキョロしはじめたと思ったら、すっくと立ち上がった。
「どうしたの?」
「キュウゥゥン!」
キューちゃんはこちらを見ないまま、遠くの誰かに応えるように返事をする。
そして、止める間もなく駆けていってしまった。
「えぇぇぇぇっ!?」
わたしはわずかに開いた扉を慌てて閉めて押さえた。
キューちゃんの期待を裏切りたくないから置いてはいけないと悩ましく思っていたのに、向こうはあっさりわたしを置いていくとは。
いまから追いかけても、キューちゃんには到底追いつけないだろう。迷子確定だ。
「キューちゃん……それはないわ」
突然ひとりぼっちになって茫然としながらも、門を開け放ってはなるものかと押さえることは怠らない。
裏を返せばキューちゃんにこんな思いをさせずにすんだのだから、これでよかったのだとも思えてくる。
大丈夫。きっとキューちゃんは戻ってくるだろう。
それまで耐えてみせるわ!
わたしは足を踏ん張って扉を押さえつづけた。



