わたしとフランチェスカは、夜遅くまで情報交換をした。
もうすでに、魔獣の弱点が魔核だと気づいているという。
フランチェスカは戦闘に加わることはないものの、魔獣をよく観察しているようだ。
「わかってからは戦いがラクになりましたわ。こういった大事なことは、しっかり継承していかないといけませんわね」
わたしは、フランチェスカの言葉に大きく頷いた。
今回再び魔獣を封印できたとしても、またいつ同じことが起きてもおかしくない。
魔獣たちの生態や、魔獣がどこからやってくるのかは、いまだにわからないことが多い。
わかっているのは、人間の世界と魔獣の暮らす世界を繋ぐ門があり、そこを通って魔獣が出現するということだ。
これまで戦ってきた経験から言うと、魔獣は噂以上に凶暴で視界に弱そうな物が映れば襲ってくる習性がある。
「魔獣が鉱山から出てくる目的はなんだと思いますか?」
共生できる相手であるなら、駆逐する必要はない。
わたしの問いにフランチェスカは声のトーンを落とした。
「こちらを餌だと思っている気がします」
「やっぱり……そうですよね」
同じ見解だ。
魔獣同士で殺し合いをしないところを見ると、仲間意識のようなものはあるらしい。
しかし、人間に対しては容赦なく噛みついてこようとする。
捕食行動なのだと思えば納得だ。
となれば、やはり徹底抗戦してまた彼らの世界へ帰ってもらうほかないだろう。
わたしからは、大型の魔獣は転倒させると起き上がるまでに時間がかかるだとか、鳥タイプが急降下する前に両翼を大きく広げるタイミングで魔核を狙うのが一番命中率が高いだとか、実戦で得た情報を提供した。
「鉱山の中にある”門”に関して、なにかわかっていることはありますか?」
シリウスはたしか、門を閉じなければならないと言っていた。
「ロミオ様が隊長様に説明していると思いますが、鉱山はもともと洞穴でした。鉱山関係者によれば、門は昔の洞穴の一番奥にあるようです」
「洞穴の箇所は、採掘でも立入禁止でしたよね?」
万が一、封印を解いてしまうことがないよう、昔の洞穴内での採掘は禁止されていたのは知っている。
爆弾を使用する関係で、わたしは父と一度鉱山内を見学したことがあるのだ。
その時も『こっちの道には入ってはいけないよ』と父に言われた記憶がある。
フランチェスカが頷く。
「はい。迷いこんでしまわぬよう、途中にバリケードを設置していたようです」
「となると、実際に門を見た人はいないですよね?」
「そうなりますわ」
門の形状や、閉じるとは物理的に扉を閉めるようなイメージでいいのかすらわからない。
ただ、疑問がひとつ解決した。
ライアスが派遣した人たちは、なぜ魔獣に襲われなかったのか。
彼らは、封印された門を見てもいないし、自分たちが封印を解いた自覚がないまま鉱山を後にしたと語っていたらしい。
灯りの代わりに魔法を使い、残された爆弾を求めてよくわからぬままにバリケードも魔法で破壊したのかもしれない。
しかし途中まで進んで、古い洞穴のまま人の手が加えられていないと気づいたのだろう。
魔石の原石が吸収した魔力は瞬間的に飽和したのではなく、じわじわ溜まっていって奥へと伝わり、最終的に門の封印を破壊するような爆発が起きたと推測される。
彼らは運のいいことに、別の坑道に残されていた爆弾をすぐに発見し、魔獣に遭遇しないまま帰国したのだ。
門を閉じないことには、魔獣はそこからどんどん湧き続けるだろう。
厄介なミッションほどやり甲斐はあるというものだ。
「やってやろうじゃないの」
わたしは怖気づくどころか、わくわくしていた。
もうすでに、魔獣の弱点が魔核だと気づいているという。
フランチェスカは戦闘に加わることはないものの、魔獣をよく観察しているようだ。
「わかってからは戦いがラクになりましたわ。こういった大事なことは、しっかり継承していかないといけませんわね」
わたしは、フランチェスカの言葉に大きく頷いた。
今回再び魔獣を封印できたとしても、またいつ同じことが起きてもおかしくない。
魔獣たちの生態や、魔獣がどこからやってくるのかは、いまだにわからないことが多い。
わかっているのは、人間の世界と魔獣の暮らす世界を繋ぐ門があり、そこを通って魔獣が出現するということだ。
これまで戦ってきた経験から言うと、魔獣は噂以上に凶暴で視界に弱そうな物が映れば襲ってくる習性がある。
「魔獣が鉱山から出てくる目的はなんだと思いますか?」
共生できる相手であるなら、駆逐する必要はない。
わたしの問いにフランチェスカは声のトーンを落とした。
「こちらを餌だと思っている気がします」
「やっぱり……そうですよね」
同じ見解だ。
魔獣同士で殺し合いをしないところを見ると、仲間意識のようなものはあるらしい。
しかし、人間に対しては容赦なく噛みついてこようとする。
捕食行動なのだと思えば納得だ。
となれば、やはり徹底抗戦してまた彼らの世界へ帰ってもらうほかないだろう。
わたしからは、大型の魔獣は転倒させると起き上がるまでに時間がかかるだとか、鳥タイプが急降下する前に両翼を大きく広げるタイミングで魔核を狙うのが一番命中率が高いだとか、実戦で得た情報を提供した。
「鉱山の中にある”門”に関して、なにかわかっていることはありますか?」
シリウスはたしか、門を閉じなければならないと言っていた。
「ロミオ様が隊長様に説明していると思いますが、鉱山はもともと洞穴でした。鉱山関係者によれば、門は昔の洞穴の一番奥にあるようです」
「洞穴の箇所は、採掘でも立入禁止でしたよね?」
万が一、封印を解いてしまうことがないよう、昔の洞穴内での採掘は禁止されていたのは知っている。
爆弾を使用する関係で、わたしは父と一度鉱山内を見学したことがあるのだ。
その時も『こっちの道には入ってはいけないよ』と父に言われた記憶がある。
フランチェスカが頷く。
「はい。迷いこんでしまわぬよう、途中にバリケードを設置していたようです」
「となると、実際に門を見た人はいないですよね?」
「そうなりますわ」
門の形状や、閉じるとは物理的に扉を閉めるようなイメージでいいのかすらわからない。
ただ、疑問がひとつ解決した。
ライアスが派遣した人たちは、なぜ魔獣に襲われなかったのか。
彼らは、封印された門を見てもいないし、自分たちが封印を解いた自覚がないまま鉱山を後にしたと語っていたらしい。
灯りの代わりに魔法を使い、残された爆弾を求めてよくわからぬままにバリケードも魔法で破壊したのかもしれない。
しかし途中まで進んで、古い洞穴のまま人の手が加えられていないと気づいたのだろう。
魔石の原石が吸収した魔力は瞬間的に飽和したのではなく、じわじわ溜まっていって奥へと伝わり、最終的に門の封印を破壊するような爆発が起きたと推測される。
彼らは運のいいことに、別の坑道に残されていた爆弾をすぐに発見し、魔獣に遭遇しないまま帰国したのだ。
門を閉じないことには、魔獣はそこからどんどん湧き続けるだろう。
厄介なミッションほどやり甲斐はあるというものだ。
「やってやろうじゃないの」
わたしは怖気づくどころか、わくわくしていた。



