帰宅後、どうにかシャワーだけ浴びて、そのままベッドに倒れこんだ。目が覚めたら、カーテン越しの外がオレンジに染まっていた。
日付と時間を確認しようとしたら、充電を忘れていてスマホの電源が切れていた。充電器につないで、買ってきた水を一口飲んで、またベッドに戻った。
次に目が覚めたら、窓の外がすっかり明るくなっていた。
「……?」
スマホを見たら、日曜日の朝九時過ぎだった。
……土曜日いっぱい寝てたのか、私は。
寝過ぎでしょ。でも疲れてたし、先輩と徹夜で飲んでたし、仕方ない。
欠伸をしながら、スマホに溜まった通知を一つずつ確認していく。
すると、一番下に山田先輩からのメッセージが届いていた。
『ちゃんと帰った?』
「……いやいや」
思わず呟いた。
だって先輩、マンションの下までタクシーで送ってくれたじゃないですか。
あとはもうエレベーターに乗るだけの状態で、手を振って別れたのに。メッセージの着信時間は昨日の朝。
つまり、先輩は帰宅してからこれを送ってくれたんだろう。
「はーーーー、好き」
思わず深々とため息をつくくらい好き。きっと、高校の時よりも好きだ。
少し迷ってから、スマホを打ち込む。
「ちゃんと帰りました。今まで寝てました。おはようございます」
そう送って、ベッドから起き上がった。
カーテンを開けると、秋の朝の穏やかな日差しが部屋いっぱいに差し込んできた。
シャワーを浴びて、歯を磨いて、洗濯を回した。買ってきた朝ごはんを食べて、洗濯を干して、部屋に掃除機をかける。
春に買った桜色のマニキュアを塗って、ちょっと迷ってから左手の親指だけ先輩が選んでくれた茶色にした。
せっかくだから明るい窓際で写真を撮ったら、スマホが震えた。
山田先輩からの返事で、
『おはよ、俺も昨日はほとんど寝てた』
と送られてきた。
今撮ったばかりの手の写真を送った。
「先輩とおそろいです」
そうメッセージを添えたら、すぐに
『待ち受けにした』
と返ってきた。
いやいや、恥ずかしいんだけど!?
それならもうちょいマシな写真撮ったのに……。
まあ、私も先輩の写真、待ち受けにしてるしなあ。しかもシャッフル設定にして、ロックして解除する度に違う先輩の写真になるようにしてある。
どの顔も最高だから、もっと早くやっとけばよかった。
ていうか、それに何て返せばいいの。
悩んでいたら、また先輩からメッセージが送られてきた。
『ごめん、キモかったら止める』
先輩はこういうところがある。
仕方のない人だけど、それすらもかわいいと思っちゃうから、私もたいがいだ。
私は一人でニヤニヤしながら、スマホに指を滑らせた。
「私も先輩の写真を待ち受けにしてるから大丈夫です」
あっという間に既読がついた。
『電話していい?』
「いいです」
窓を開けて、ベランダの方を向いて座った。秋の冷たい風が部屋の中にすっと吹き込んでくる。どこからか落ち葉が舞い込んできたから、拾ってベランダにそっと置いた。すぐに電話がかかってきた。
『もしもし? おはよ、秋谷』
掠れた声に、思わずニヤニヤが止まらない。
電話越しで本当に良かった。
「おはようございます、先輩」
『起きてた?』
「はい、一時間くらい前に起きて朝ごはん食べたりしてました」
『俺はさっきまで寝てた。秋谷はしっかりしてるね』
スマホの向こうで、くわっと小さく欠伸の声が聞こえた。録音しておけばよかった。
『秋谷、この後って用事ある?』
「ないです! ごはん行きましょう!」
勢い余って誘ったら、先輩がクスクス笑う声が聞こえた。
耳元で先輩の声がするのは、今更だけど結構な供給過多で、直接だったら致死量だった。
『俺から誘いたかったけど、まあいいか。行こう。何食いたい?』
「先輩とだったら何でもいいですけど……あ、じゃあ」
ゴールデンウィークに行った、公園近くのごはん屋さんに行くことにした。
先輩は起きたばかりで朝も食べてないって言うから、急いで支度をして部屋を出た。
日付と時間を確認しようとしたら、充電を忘れていてスマホの電源が切れていた。充電器につないで、買ってきた水を一口飲んで、またベッドに戻った。
次に目が覚めたら、窓の外がすっかり明るくなっていた。
「……?」
スマホを見たら、日曜日の朝九時過ぎだった。
……土曜日いっぱい寝てたのか、私は。
寝過ぎでしょ。でも疲れてたし、先輩と徹夜で飲んでたし、仕方ない。
欠伸をしながら、スマホに溜まった通知を一つずつ確認していく。
すると、一番下に山田先輩からのメッセージが届いていた。
『ちゃんと帰った?』
「……いやいや」
思わず呟いた。
だって先輩、マンションの下までタクシーで送ってくれたじゃないですか。
あとはもうエレベーターに乗るだけの状態で、手を振って別れたのに。メッセージの着信時間は昨日の朝。
つまり、先輩は帰宅してからこれを送ってくれたんだろう。
「はーーーー、好き」
思わず深々とため息をつくくらい好き。きっと、高校の時よりも好きだ。
少し迷ってから、スマホを打ち込む。
「ちゃんと帰りました。今まで寝てました。おはようございます」
そう送って、ベッドから起き上がった。
カーテンを開けると、秋の朝の穏やかな日差しが部屋いっぱいに差し込んできた。
シャワーを浴びて、歯を磨いて、洗濯を回した。買ってきた朝ごはんを食べて、洗濯を干して、部屋に掃除機をかける。
春に買った桜色のマニキュアを塗って、ちょっと迷ってから左手の親指だけ先輩が選んでくれた茶色にした。
せっかくだから明るい窓際で写真を撮ったら、スマホが震えた。
山田先輩からの返事で、
『おはよ、俺も昨日はほとんど寝てた』
と送られてきた。
今撮ったばかりの手の写真を送った。
「先輩とおそろいです」
そうメッセージを添えたら、すぐに
『待ち受けにした』
と返ってきた。
いやいや、恥ずかしいんだけど!?
それならもうちょいマシな写真撮ったのに……。
まあ、私も先輩の写真、待ち受けにしてるしなあ。しかもシャッフル設定にして、ロックして解除する度に違う先輩の写真になるようにしてある。
どの顔も最高だから、もっと早くやっとけばよかった。
ていうか、それに何て返せばいいの。
悩んでいたら、また先輩からメッセージが送られてきた。
『ごめん、キモかったら止める』
先輩はこういうところがある。
仕方のない人だけど、それすらもかわいいと思っちゃうから、私もたいがいだ。
私は一人でニヤニヤしながら、スマホに指を滑らせた。
「私も先輩の写真を待ち受けにしてるから大丈夫です」
あっという間に既読がついた。
『電話していい?』
「いいです」
窓を開けて、ベランダの方を向いて座った。秋の冷たい風が部屋の中にすっと吹き込んでくる。どこからか落ち葉が舞い込んできたから、拾ってベランダにそっと置いた。すぐに電話がかかってきた。
『もしもし? おはよ、秋谷』
掠れた声に、思わずニヤニヤが止まらない。
電話越しで本当に良かった。
「おはようございます、先輩」
『起きてた?』
「はい、一時間くらい前に起きて朝ごはん食べたりしてました」
『俺はさっきまで寝てた。秋谷はしっかりしてるね』
スマホの向こうで、くわっと小さく欠伸の声が聞こえた。録音しておけばよかった。
『秋谷、この後って用事ある?』
「ないです! ごはん行きましょう!」
勢い余って誘ったら、先輩がクスクス笑う声が聞こえた。
耳元で先輩の声がするのは、今更だけど結構な供給過多で、直接だったら致死量だった。
『俺から誘いたかったけど、まあいいか。行こう。何食いたい?』
「先輩とだったら何でもいいですけど……あ、じゃあ」
ゴールデンウィークに行った、公園近くのごはん屋さんに行くことにした。
先輩は起きたばかりで朝も食べてないって言うから、急いで支度をして部屋を出た。



