初恋は、終電の先に

 食後、また先輩と並んで公園へ戻った。


「美味かったから次は違うのも食べたいな」


 先輩が笑顔で言った。


「私もまた来たいです。季節ごとにメニュー変わるらしいですよ」

「マジで? じゃあ秋になったらサンマ食べに行こう」


 そんな話をしながら公園を歩いていると、昼どきだからか、バーベキューの香ばしい匂いが漂ってきた。


「バーベキューもそのうちしたいです」

「したことねえな」

「そうなんですか? んー、じゃあ夏になったらビアガーデン行きましょうよ。串焼きできるところがあって、準備とかいらないからハードル低いです」

「行こう」

「その前に焼き肉かな」

「それも行きたい。仕事が忙しくて、人間らしい生活ができてない気がするんだよな。だから、先に楽しみな予定があると頑張れる気がする」


 そう言って先輩は私を見て笑った。

 そうか。先輩は私との予定を楽しみにしてくれてるんだ。

 嬉しいなあ。

 歩いているうちに、公園の出口まで戻ってきてしまった。


「秋谷、この後って時間ある?」

「あります」


 つい、かぶせるように即答してしまった。

 先輩はほっとしたように笑って、頷いた。


「この公園に林があるだろ? その先にカフェがあるから、一緒に行きたい」

「ぜひ!」

「じゃあ、行こうか」


 踵を返した先輩の背中を追いかけた。

 風が吹いて、私のスカートと先輩のカーディガンがふわりと揺れた。

 傍から見たら、私と先輩はデートしてるように見えるだろうか。

 手をつなぐことすらできてないけれど。


「秋谷」

「はあい」


 少し先で待ってくれていた先輩と、また並んで歩いた。