一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


「すす、すみません!ユウキさん!
新メンバーの面接が押してしまいまして……!」


剣幕に怯えた宇都さんがずずいと私の背中を押し出す。

元は丸くて大きそうな瞳がキツく吊り上がった“ユウキ”の視線が、よろけた私の姿を捉えた。


「新メンバー?……美嶋日向の弟ってこと?」



……もう知ってるのね。


というか、顔面強っ。


態勢を整えて、ちゃんと対峙するとその人の見た目の良さにびっくりする。



女の子と見間違うレベルですべっすべの卵肌に深紫の大きな目。血色のいい唇。その顔立ちはまさに美男子。

モーブがかったマッシュの髪が、イケメンなのに可愛い系の印象を演出している。



「うわ、マジ?
美嶋日向の弟っていうからキツめの綺麗系想像してたのに可愛い系かよ。
最悪!キャラ被ってんじゃん!」



端正な顔が思いっきり歪む。
口と性格は少しも可愛くないみたいだ。



「アンタ、経歴は?歌は?ダンスは?経験してる?」

ガタン、と椅子から立ち上がってツカツカと距離を詰めてきた。


そして、査定するかのように間近で私の全身をくまなくチェックしてくる。

すん、と私の髪の近くで息を吸った“ユウキ”が、「ん?」と首を傾げた。


「このシャンプー、女物?」


(やばっ。)


訝しむ視線から逃れるように、すいっと視線を斜め上に持ち上げる。


早速バレてしまうのか?と心臓がバクバク言い始めた。



「遅刻しました〜」

スゥッと音もなくドアが開いて、緩い声が空気を揺らす。

ドアの開閉で起こした風が、ベリー系の甘い匂いを会議室いっぱいに注ぎ込んだ。