一等星センセーション―日陰女子、イケメンアイドルになります!?―


「ブラボー!ダンス、バチバチにイケてたぜっ!」


Ryoさんがガハハと豪快に笑いながら親指を立てる。
それに釣られて、後ろにいるスタッフさん達も次々に感想を投げかける。


「ありがとうございます!」


愛想よく笑ったユウキが、深々とお辞儀をする。
顔を上げた時には私に向かって、フンと鼻を鳴らした。


SEIKOさんも3人に向かって涼やかに笑いかける。
感触は良さそうだ。


「この短時間で高難度のナンバーをここまで仕上げてくるとは思わなかった!
歌とダンス、それぞれをきちんと魅せる構成も悪くない。楽しいパフォーマンスだったよ」


蓮がホッと胸を撫で下ろす。
昊は「しんど」と呟いてる。評価はあまり気にしないみたい。

ユウキは下ろした手を握りしめて、小さくガッツポーズした。



「――じゃ、次は南・千景ユニット。スタンバイして」


品定めするかの様なSEIKOさんの目。
ユウキ、蓮、昊もお手並み拝見と私たちの方を向いた。



ほんの少し膝が震える。
プレッシャーに押しつぶされそうだ。


ドンッと背中を叩かれる。
その手を私の背に当てたまま、南が隣に並んだ。


「大丈夫。やれる。
お前は今、アイドル・美嶋千景だろ?」


プレッシャーに弱くて、失敗ばかりだった、
“ただの女の子の美嶋千景”じゃない。


「だから、独りじゃない」


背中に置かれた手に力が入って、私をぐんと前に押し出す。
2人で一歩、踏み出した。


「ぶちかますぞ、千景。
 flying-Hiが走り出すための第一歩だ」


一歩一歩、進むごとに覚悟が宿る。
フロアの真ん中に立つ時には、もう正面を向ける様になっていた。


この覚悟が鈍らないうちに、バッ勢いよく手を挙げる。
力強く、真っ直ぐユウキ達のことを見た。



「スタンバイOKです!よろしくお願いします!」



――さぁ、手を伸ばそう。

あなた達に届くように!