「普通に歌うとやっぱ男にしては高音だけど、声変わり前だと思えば違和感ないし。曲調にも合ってる。
それに、」
ポン、と後ろに跳ねた南が、大きく両手を広げる。
強い白昼光の照明を浴びて、ホワイトブリーチの髪がキラキラと光った。
「楽しいって千景の感情が全身から伝わってきた!」
私は今日、何度ときめけばいいんだろう?
誰かに手をとってもらって、認めてもらって。
1人じゃできなかった感情が、たくさん生まれている。
「よっしゃ。ダンスと歌、それからお互いのパフォーマンスの特徴もわかったし、構成練るぞ」
「……あの、ひとつ提案なんだけど…」
コピー用紙を広げかけた南の手が止まる。
思いつきでまとまらないままの、辿々しい提案を頷きながら聞いてくれた。
「――へぇ。いいじゃん、それ!
俺らの作戦の意図もより伝わりやすくなりそうじゃん」
ニヤリと笑う顔は、挑戦を楽しんでいるかのよう。
この提案は気付かれなきゃ意味のない、賭けだ。
だから南と2人、念入りに作戦会議をしなくちゃ。



