南の肩を押しながら、キツく目を瞑って顔を背ける。 同じ状況にいるはずなのに平然としている南は、そんな私をじっと見つめている。 数秒して、悪戯でも思い付いたかのような顔をすると―― 肩を押す私の片手を取って近くの壁に縫い付けた。 ひやりとした壁の感触が背中に触れる。 手首を軽く押さえられたまま、逃げ場がない。 「南……?」 見上げた先。 ほんの少しだけ伏せた目との距離が近い。 「“好き”って言ってみ?千景」