ハウスクリーニング山代には休みが無い

「それは違いますよ、川沿先生」

キラキラオーラを放ちながら水野先生が優雅にこっちに歩いて来た。

「わんっ!?」怒りながら川沿先生が振り向いた。

俺と爽太と鎌本さんの3人はスチャッとサングラスをかけた。

水野先生はキラキラしながら話し始めた。

「僕の母は鎌本さんの手作りばっけ味噌の大ファンなんです。だけど毎日すぐ売り切れてしまう上、僕の母は遠くに住んでるからすぐに買いに来れない。僕は母のために何度もばっけ味噌争奪戦に参加しましたが主婦の力は強くことごとく敗北してね…、だからこうなったら自分で作れるようになろうと鎌本さんにお願いしてお料理教室に来たんです」

「「お料理教室…」」俺と爽太はつい変なとこでツボに入り笑いそうになった。

笑いそうで笑わないようにして変な顔になってる俺達の隣でぶわっと川沿先生が号泣し始めた。

「水野先生…お前良い奴だったんだな!!今まで勘違いして睨んだりしてごめん!!」

「ううん、僕もちゃんと自分の事話さなかったのがいけなかったんだ!!僕もごめんね!?」

小学生の喧嘩30歳バージョンの仲直りシーンを見せられてる感じになって俺と爽太はますます笑いそうになってますます変顔になった。

「謝るな水野先生!俺たちはもう親友なのだ!」

「川沿先生!!…あぁ僕、生まれて初めて友人が出来て僕嬉しいだに!!」

「だーはっはっはっ!!ひーっ!!」ついに笑い出した俺達の隣で鎌本さんが「馬鹿タレ共が」と深くため息ついた。

と、その時だ。

いきなり派手に窓ガラスが割れてふんどし一丁の鉄の面を被ったゴリマッチョの男が料理教室に突入して来た。
 
女性の生徒さん達は突然現れた変態露出魔に青くなって「キモーい!!」と悲鳴をあげながら一斉に出て行ってしまった。

「こいつに怪我させたくなけりゃ、このビニール袋にありったけばっけ味噌詰めろっ!」

「うわーっ、助けて風ちゃーんっ!!」

「何でまたちゃっかり捕まってんだよガンオタ糞野郎!!」

変態露出魔の逞しい腕の中で泣きながら暴れてる爽太を怒ると変態露出魔がはんっと笑った。

「鎌本、あんたが今肩を負傷中で動けない事はとっくに知ってんだ!さぁ、さっさとばっけ味噌の準備しな!」

「卑怯なっ!」鎌本さんはグッと悔しそうな顔をした。